Vol.27 第27回本公演
お見合いしましょ♡
~Shall We Meet?~
“お見合い”ほど素敵な出会いはない!?
出会いを求める男女の間で実は今密かにキテいる「お見合い」ブーム!
そんなある日、手違いでお相手の男が来ないという緊急事態発生!
これを乗り切るべく、ナント自分のダンナを見合い相手に仕立てるという極秘作戦にでることに。
縁談をムリヤリ破談に持っていくのが菊代の狙いなのだけど、
お相手の女性とその家族はゼッタイこのお見合いを
成功させなければならない秘密を抱えていて…
事情を抱えたカップルたちのいろんな思いが交錯するなか、次第に浮かび上がってくる赤い糸。
果たしてこのお見合いは成立するのか、それとも…。
出会いの少ない(?)あなたに見て欲しい、究極のラブ・コメディー。
これを見れば、あなたもお見合いがしたくなる?!
作・演出:小倉昌之
2003年11月7日(金)~11月9日(日)
会場:TACCS1179(東京/下落合)
出 演
高畑加寿子
渡辺幸枝
上窪勇樹
鷲巣知行
芳川優子
森本73子
牧野朋子
小倉昌之
STAFF
舞台監督:山口勝也(バーニングブルー)
美術監督:佐藤大樹
振付:音羽菊公
照明:大串博文(アステック)
照明操作:佐久間良弘
音響:飯田博茂(飯田音響)
大道具:久保田貴 堀進太郎 大谷憶寿
中道具:今井”POM”園子
小道具:渡辺幸枝 牧野朋子
衣装:高畑加寿子 森本73子
工作:鷲巣知行
VTR:堀進太郎
ネット広報:草野美紀子
表方:白石佐代子 永岡香織 中島知亜紀
制作統括・娯楽通信:吉村賢太郎
後援:ビーウィック有限会社
企画・制作:パラダイス・パーティ 高畑加寿子
STORY
都心にある結婚式場として有名なホテルの和室では、いましも「お見合い」が行われようとしていた。
自身やり手の見合いコンサルタントで、事務所経営者でもある音羽菊代(高畑加寿子)は、「お見合い」の女性側親子はホテルに来ているのだが、男性側が本人を含め誰も現れれず、それどころか連絡すらつかないことに恐怖を感じていた。
このまま相手が現れず「お見合い」のセッティングミスなどという事態になってしまうと、自分と事務所のキャリアに傷がつくと考えた菊代は、なんとリストラされてブラブラしている亭主の音羽慎介(小倉昌之)を男性側本人の代役に立て、「お見合い」自体は行うが最終的に破談にもってゆき、事態の収拾を図るというとんでもない計画を画策する。
嫌がる慎介を無理やり説き伏せた菊代ではあったが、不安もまた抱え込むこととなった。
一方、女性側だが、今回の「お見合い」は娘を結婚させたがっている母親・澤潟礼子(渡辺幸枝)が勝手に菊代に相談して進めたものであり、娘の澤潟和美(芳川優子)はまったく乗り気ではない。また、父親の澤潟惣一郎(鷲巣知行)も乗り気ではなかった。
娘の和美が見合いに乗り気でない理由は、自身が妊娠していることであった。それを聞いた母・礼子は驚き、出産して未婚の母などになってしまってはさらに縁遠くなると考え、何があってももこのたびの「お見合い」を成功させようと誓う。
父・惣一郎においては、実は家族に内緒で先物取引に手を出しており、相場が暴落寸前の情報を得ていて実は「お見合い」どころの状況ではなかった。それどころか相場が暴落してしまうと、結婚どころか一家が破滅してしまう恐怖におびえていた。
はたまた、このホテルには仲居として働いていた橘あかね(森本73子)という人物がいた。彼女は実は慎介の昔の愛人であった。生活苦にあえぐあかねは、慎介を発見し、なんとかカネを巻き上げようと動き出す。逃げようとする慎介だが、菊代の前で逃げる理由を話せるはずもなく、そしてまた菊代は慎介を逃がすはずもなく慎介は苦悩する。
こうして、各人それぞれがそれぞれなりの思惑を抱えて、どうしても破談に持っいきたい菊代・慎介の偽・男性側とどうしても結婚させたい女性側との対決とも言うべき「お見合い」の火蓋は切って落とされる。
試合ともいうべき「お見合い」の駆け引きの流れの中で、「お見合い」をしている慎介を勘違いし嫉妬した仲居・橘あかねは、思い余って同僚の成田富子(牧野朋子)の赤ん坊を盗み出し、慎介にこの子はあなたの子供であるという認知を迫る暴挙に出る。
窮地に陥る慎介と、一気に引いてしまう女性側の母・礼子であったが、時を同じくして父・惣一郎は、先物取引が大失敗した連絡を受け取り、資産家という触れ込みでお見合いをしている慎介に隠し子がいようと娘をもらって欲しいと迫る。
父・惣一郎の発狂寸前の行動に一同は驚くが、遅れて会場にやってきていた菊代の事務所の従業員中村欣也(上窪勇樹)が、すべての顛末は自分に責任があると語り始める。
実は、娘・澤潟和美と彼は学生時代からの恋人同士で結婚を誓い合っていた仲であること。学生時代に結婚を申し込みに家まで訪れたが、惣一郎や礼子には会うことも出来ず、現在に至っていること。奇しくも和美が自分の事務所に「お見合い」を申し込んできたことを発見して、他人に彼女を渡したくないと、架空の見合い相手を捏造し、このたびの騒動にいたってしまったことなどを語る。さらに現在は、親戚の遺産を相続してかなりの資産があり、改めて和美に結婚を申し込みたいと話す。、
一同は仰天するが、真剣な中村の告白に打たれる。それを聞いた娘・和美は、自分が妊娠しているというのは「お見合い」を破談にしたいための嘘で、自分の気持ちはずっと中村にあったことを告げる。父・惣一郎と母・礼子にとって、資産家の中村との結婚を反対する理由などなく、中村と和美はめでたく結ばれて物語りは終わる。
公演メモ
・この作品から座長・小倉昌之と女優・高畑加寿子が、舞台設定は異なれど毎公演必ず夫婦を演じるシリーズ、 通称「しましょシリーズ」の幕開けとなる。
・「しましょシリーズ」では、登場人物たちも毎公演、人物設定は異なるが、同一の俳優は同一の役名で演じることとなる。
・「しましょシリーズ」の幕開けをもって劇団は、“第5期劇団娯楽天国”に突入する。
・本作品は、座付き脚本家・小倉昌之に英国の劇作家レイ・クーニーの作品が多大な影響を与えている。小倉は ”新宿のレイ・クーニー”を自称するが、それは”レイ・クーニーをパクってます”と宣言していることに本人は気づいていない。
・本作品は、大阪の劇団 ”マーケットリゲイン”さんに上演していただく。
座長が当時を振り返って
「この作品から”しましょシリーズ”がはじまるわけやが、登場人物の苗字は端役にいたるまで”音羽(屋)”、”澤潟(屋)”などすべて歌舞伎の屋号から採られてることは、あまり知られてない。名前についても色々と曰く因縁あるんやけど、それはまたいずれということで。」