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Vol.46
「シェアハウスカムカム」
2019年11月20〜24日に公演!

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座長・小倉昌之のつぶやき

 

公演記録 History

Vol.12 第12回本公演
よくわかるニッポン
〜人は世につれ 世は政治につれ〜

 

時は明治…。
15代の永きに亘って日本を牛耳ってきた徳川家の一党支配が瓦解し、
薩長土肥の連立政権が誕生した。
アメリカをはじめとする諸外国のプレッシャーは日に日に高く、
条約改正は国民の悲願となり、それまでホワイトカラーであった
武士は失業の憂き目にあい、不平は高まるばかり。
連立政権はそれら大きな問題につぎつぎ取り組まねばならなかった。

そんな折、韓国に出兵するや否やというPKO問題が持ち上がった。
国内融和が先決か、国際問題が優先か!?
この日本を二分する大問題は国権を発動させようとする
小沢…じゃなかった大久保利通の勝利となり、
ついに連立政権は分裂してしまった!どーする連立政権!どーなる日本!

日本はじめての革命政府である明治政権をモチーフに、
現在の日本社会を描き出すスラプスティック・ポリティカル・コメディ。

【娯楽通信】


公演データ

日程:1993年12月16日(木)〜12月19日(日) 全6ステージ

会場:シアターモリエール(東京/新宿)

作・演出:小倉昌之

Cast:
仁藤明彦
植松瑞代
羽角聖美
高畑加寿子
丹治智浩
白石佐代子
高橋宏誌
飯田茂
与那原寛雅
水科哲也 
小倉昌之

 

Staff

舞台監督:山口勝也(バーニングブルー)
美術監督:佐藤大樹
照明:大串博文(アステック)
音響:
小野寺隆一 大石美穂
作曲:吉村渓
大道具:
堀進太郎 大谷憶寿
大道具協力:日大芸術学部の皆さん

小道具:
鶴田さおり 今井園子
衣装:
羽角聖美
美粧:八木晶子

運搬:トラック高橋
宣伝美術:上田直史
撮影:逆井良昭 奈良清子
表方:草野美紀子 馬野裕朗 仁田尾里美 永野美智子 近藤明美
娯楽通信:
羽角聖美 高畑加寿子
衣装提供:ときわ
企画・制作:パラダイス・パーティ

 

STORY

 幕が開くとそこはとある大学の教室。今日も教授(仁藤明彦)は、つまらない明治の政治について講義していた。次々と授業をボイコットして去ってゆく学生達。教授はそれでも話を続けていた。ひとり残された教授は次第に興奮し始め、ついに絶叫する。それとともに舞台は戊辰戦争の真っ最中に変化する。

 教授は板垣退助となって土佐の片岡謙吉(丹治智浩)らを率いて奮闘する。その後、戊辰戦争は薩長土の勝利となり、連立政権「明治政府」がつくられる。

 時は移って、征韓論の場。それはテレビ朝日の番組「朝まで生テレビ」のような征韓論である。司会の田原総一郎(小倉昌之)のもと、征韓論派の板垣退助や後藤象二郎(飯田茂)は西郷隆盛(羽角聖美)や江藤新平(水科哲也)に与し、大久保利通(丹治智浩・二役)や伊藤博文(与那原寛雅)ら反対派と激論を戦わせる。

 しかし、優柔不断な宰相三条実美(高畑加寿子)を説得できず、西郷や板垣ら征韓論派は政府を去る。その後、西郷は西南の役で自害、江藤は佐賀の乱で戦死。板垣と後藤は民撰議院設立建白書を提出、つまり反体制派として議会開設に動き出す。これが「自由民権運動」のはじまりである。

 彼等は、国権派・大久保の策謀により様々な妨害に合う。板垣も「板垣死すとも自由は死せず」の言葉を残し演説中に暗殺未遂に合う。だが、板垣ら民権派はついに国会招致に成功する。そして大久保は暗殺。政府は伊藤博文の手に握られる。

 喜びもつかの間、うまくいくはずだった国民議会も伊藤博文の切り崩し工作にあい、議会は分裂。長年の同志の植木枝盛(植松瑞代)や星亨(羽角聖美・二役)も暗殺される。板垣は大隈重信(高橋宏誌)と野党連合政権をつくるも、スキャンダルによって内閣は崩壊。後藤も板垣を裏切り、民権派はズタズタになってしまう。

 そして病床で意気消沈する一人残された板垣の姿で幕は下りる。

 

公演メモ

・日本の政界が、細川連立政権誕生に湧き、自民党の55年体制に終止符が打たれた世相を背景にした作品。薩長土肥の明治連立政権と細川連立政権を重ね合わせ、その後の細川政権崩壊を予言する作品となった。
・劇団創立以来初めての「歴史劇」。史実考証はかなり綿密に行い、植木枝盛の研究家から絶賛される。
・ラストは悲壮なシーンで、エンディングは三味線の糸が切れる音で終わった。直後のカーテンコールの音楽にギャップがありすぎて観客が思いきりとまどいをみせる。
・童話作家のさとうまきこ氏にチラシの賛辞文をいただく。
・政治風刺の芝居の宣伝を聞きつけたのか、雑誌「アエラ」の取材を受ける。
・劇中音楽は、全曲オリジナル。作曲は、音楽評論家の吉村渓氏に依頼。
・記録ビデオあり。

 

座長が当時を振り返って

「当時選挙の投票率の低さに激怒して、この芝居をつくったんや。国民に政治をわからさないかんという誇大妄想な願望を持ってな。アホや。結局歴史に偏りすぎて、ドラマとしては劇的にならんかったなぁ。反省。それでも“朝まで生テレビ”の征韓論は秀逸やったと今でも思うてる。でも当時“朝生”自体の認知度があんまりなかったから反応もいまいちやった。」

 

 

 

 

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