| 公演記録 History |
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パルテノン多摩・小劇場フェスティバル'93参加作品
聖者が街にやってきた
〜When The Saints
Go Marchin'in〜
 
劇団娯楽天国です。快楽天国でも極楽天国でもありません。「娯楽天国」です。
皆様を楽しいパラダイスにお連れするために名付けました。
パラダイスといいましても、エッチな方ではありません。
“笑い”と“感動”の天国なのであります。これからもご贔屓に。
さて、このたびの演し物は、うらぶれた商店街に現れた１人の男の物語。
男の出現によって街の日常はかきみだされてゆくのでありました。
果たして彼は不景気のどん底にあえぐ街の救世主になれるのだろうか！？
偉大なトリックスターの生涯をモチーフにした下町人情喜劇。
「神なき日本の漂流する現代人に警鐘を打ち鳴らす問題作！！」
…という崇高なテーマを掲げた作品でないことだけは保証いたします。
最後まで大いに笑ってお楽しみ下さいませ。
(パンフレットのキャプションより)
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| 公演データ |
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日程：1993年3月2日(火) 全1ステージ
会場：パルテノン多摩小ホール(東京)
作・演出：小倉昌之
Cast：
馬野裕朗
植松瑞代
羽角聖美
小宮山民人
蔭西珠実
高畑加寿子
広瀬麗栄
妻咲邦香(KUNIKA改)
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| Staff |
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舞台監督：山口勝也(バーニングブルー)
美術監督：佐藤大樹
照明：大串博文(アステック)
音響：黒岩(大木下)佐紀
大道具：堀進太郎 今井園子
小道具：鶴田さおり
衣装：羽角聖美
美粧：八木晶子
運搬：トラック高橋
表方：草野美紀子 仁田尾里美 奈良清子
企画・制作：パルテノン多摩
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| STORY |
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さびれたシャッタ−通り商店街にあるラーメン屋「来来軒」では、仕事もせずに競馬にいりびたる亭主ペテ郎（小宮山民人）と女将カヤ子（植松瑞代）が今日も言い争っていた。来る客といえば暇を持て余す煎餅屋のヤコ兵衛（妻咲邦香）。やる気のない男達にカヤ子は憤る。男達の楽しみは客のソープ嬢マリアちゃん（蔭西珠実）の姿であった。マリアに鼻の下を伸ばす男達にカヤ子や娘のアンナ（高畑加寿子）、近所に住むユウ子（広瀬麗栄）は気に入らない。
あるとき町内会長の美容師ピラ子（羽角聖美）は、知らない間に商店街が地上げ屋に買い上げられているという衝撃的な話をもってくる。ラーメン屋を地上げしてもらって余所へうつろうというカヤ子。先祖からの土地だからと乗り気ではない亭主ペテ郎。商店街の行く末を巡って一同の意見はまとまらない。
そこへ一人の奇妙な「男」（馬野裕朗）が現れる。「男」は一同の話を聞き、地上げに反対し、商店街再生に乗り出す。「男」に付き従うペテ郎やヤコ兵衛。それに反対するピラ子やカヤ子。商店街が二つの勢力に別れ争いが起こり始めたとき、徐々に物語は聖書の伝説へと変貌してゆく。
奇跡をおこし、商店街の人々を惹きつける「男」に対し、危機感を持ったカヤ子やピラ子たち抵抗勢力は男の排除へと動きだす。そして、弟子のユダ（ユウ子）とペテロ（ペテ郎）の裏切りにあった「男」はピラト総督（ピラ子）と大司祭カヤパ（カヤ子）の手によって十字架に磔となり「男」の姿はイエス・キリストとなる。
しかしここまでの話は、実は商店街のクリスマス祭りの演目をのアイデアを話しているユウコの話であった。「男」などは存在しないことがわかる。だが最後誰もいなくなったラーメン屋に「男」の姿が浮かび上がる。
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| 公演メモ |
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・フェスティバル終了後、制作会社「フク企画」が制作金を持ち逃げ。「劇団スタジオライフ」、「劇団ガジラ」、「劇団B」とともに訴訟を起こし、新聞沙汰になる。その後一部和解するも、会社社長は逃亡。いまだに全額は支払われていない。パルテノン多摩側は全てを制作会社に押しつけ知らぬ顔。行政の腹黒さを思い知らされる。
・第6回本公演の再演。キャストは中野ユウ子役だけが変更となる。
・観客の動員もよく、反応もよかったのだが、惜しくも優勝を逃す。
・この作品を最後に旗揚げメンバー馬野裕朗は退団。
・キャストの妻咲邦香氏は現在詩人で絵本作家の妻咲氏。
・記録ビデオなし。
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| 座長が当時を振り返って |
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「金を持ち逃げされたときはあわてたで。結局まだ返ってきていない。貧乏劇団に対してなんちゅうことをするねんほんま。あの事件以降、行政制作のフェスティバルは信用でけんようになった。ふざけるな！ボケ！」
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