Vol.3 第3回本公演
ラ・ラ・ルゥ
~La La Lu~

小さい頃、ディズニーの映画を見ると決まってうたたねして、
ストーリーがわからなくなってしまいます。
しかたがないので、夜ふとんの中で、自分でいろんなシーンを空想し、
話をつなげたものでした。
今回の公演はイギリスの有名な童話を題材に、
ディズニー風のちょっと不思議なコメディーをやろうと思ってます。

演劇界のディズニーランドをめざすわが劇団の第3回本公演、
お誘い合わせの上、ぜひご来場ください。
-T.A-
(チラシのキャプションより)

作・演出:小倉昌之

1989年3月10日(金)~3月12日(月) 全5ステージ

会場:タイニィアリス(東京/新宿)

出 演
石井元
神田かずえ
馬野裕朗
羽角聖美
八木晶子
清水英子
草野美紀子
蔭西珠実
こてたつま
小倉昌之

STAFF

舞台監督:青木貴
照明:大串博文(アステック)
音響操作:沼沢毅
音響:牛山惠子
舞台美術:長谷基弘(劇団桃唄309)
衣装・宣伝美術:羽角聖美
メイク:神田一恵
トレーナー:石崎千穂
制作:石井元 湯浅真奈美 清水英子
娯楽通信:編集委員長/石井元 湯浅真奈美 清水英子

STORY

英国オックスフォード・クライストチャーチの数学教師であるチャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(石井元)は、その名の通り“ドジ”で“損”ばかりしている中年の英語教師である。どもりの癖があるドジソン先生はいまだに独身で、対人関係が満足に取れない。それは父親である厳格な英国国教会牧師チャールズ・ドジソン師(馬野裕朗)の影響が大きかった。

ドジソンはいつも近所の幼女ロリーナ(蔭西珠実)、マリス(八木晶子)、イーディス(草野美紀子)の三姉妹とばかり遊んでいた。中でも次女のマリスはドジソンのお気に入りであった。だが、周囲の大人達、クライストチャーチのヘンリー・リデル学長(こてたつま)やその妻リデル夫人(羽角聖美)、ダイナ夫人(清水英子)などは、ドジソンがロリコンではないかと眉をひそめている。ついにダイナ夫人は学長に風紀がみだれるとドジソンの罷免を要求する。

窮地に陥り一人悩むドジソンは、マリスによく似た女の子アリス(神田かずえ)と出会う。彼女の後をつけた先生が遭遇した世界はアリス・イン・ワンダーランドすなわち、アリスの不思議の国であった。彼はそこで気違い帽子屋(小倉昌之)にであう。

アリスと帽子屋に連れられて、ドジソンは不思議の国を旅するが、そこで出合った奇妙な人物達は、先生の良く知った人たちに酷似していた。(それぞれ二役)チェシャ猫はダイナ夫人に。ハンプティ・ダンプティはリデル学長に。ハートの女王はリデル夫人に。

アリスはドジソンに不思議の国が恐ろしいモンスターに蹂躙されているので助けて欲しいと懇願する。そのモンスターとはドジソンの父、チャールズ師に酷似した怪獣ジャバウォッキーであった。ジャバウォッキーと戦うドジソン。

やっとの思いで怪獣を退治した彼は現実の世界に戻る。父親に対するエディプス・コンプレックスを克服した彼はどもらなくなり、少し生まれ変わる。そしてドジソンは自分の体験を小説にして、子供達にささげることにする。

タイトルは「不思議の国のアリス」。ペンネームはルイス・キャロル。

公演メモ

・ファンタジー路線第1作目。ルイス・キャロルの伝記を元に作品は構成されている。登場人物はすべて実在の人物。
・小倉昌之の初演出作品。
・タイトルはディズニー映画「わんわん物語」のナンバー「La La Lu」
・この当時、娯楽天国は演劇界のディズニーランドをめざす(?)と意味不明なことをいっていた。
・客演のこてたつま氏は現在詩人で絵本作家の妻咲邦香氏のこと。
・記録ビデオなし。

座長が当時を振り返って

「脚本はルイス・キャロルの評伝にもなっていて、かなり手の込んだものになっていると思う。女性ファンの方でいまだにこの作品が好きだといって下さる方もいる。ありがたいこっちゃ。なんでワシがこの作品で演出しているのか理由は忘れてしもた。しかし、当時のタイニイ・アリスはほんまに汚かった(現在のパンプルムス。改装)。ネズミが出るから注意しろといわれたときはぞっとした。」

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